薬価・後発品比較・改定推移を、ひとつの画面で確認
例:アムロジピン(成分名)、ノルバスク(商品名)、1140010F1024(YJコード)
データ出典:厚生労働省 薬価基準収載医薬品コード
| グラフ | 比較 | 製品名 | 規格 | 製造会社 | 薬価 | 先発比比 | 前回比 | 添付文書 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 薬剤を検索して選択してください | ||||||||
| 製品名 | 成分名 | 規格 | 区分↕ | フラグ | 薬価(円)↕ |
|---|
厚生労働省 2026年4月改定・5月BS随時収載対応
| サービス名 | 薬価ラボ(YakkaLab) |
|---|---|
| 運営者 | yakka.lover |
| 所在地 | 東京都 |
| 属性 | ヘルスケアコンサルティングファーム勤務 |
| 運営開始 | 2026年4月 |
| 連絡先 | yakkalover@gmail.com / GitHub Issues |
| 本サービスの目的 | 薬価情報は国民皆保険制度の根幹をなす重要な公共情報であるにもかかわらず、調べにくい状態が続いています。 本サービスは、薬剤師・医療従事者・製薬企業の方々が薬価データをすばやく・わかりやすく活用できるよう、 個人で開発・運営している無料の薬価データベースです。 |
中医協の議事録・改定データをもとに、薬価がどう決まりどう変わるかを一次資料で解説します。
薬剤師・MR・製薬企業の方向け。
最終更新:2026年5月 | 参考:厚生労働省・中医協公開資料
日本では、健康保険が適用されるすべての医薬品には国が定めた公定価格「薬価(やっか)」が設定されています。この薬価を見直す作業が薬価改定です。
薬価は市場で実際に取引される価格(市場実勢価格)よりも高く設定されることが多く、その差(乖離率)が一定以上になると引き下げが行われます。これは医療費の適正化と、製薬企業の適正利潤確保のバランスをとるための仕組みです。
薬価は中央社会保険医療協議会(中医協/ちゅういきょう)が審議し、厚生労働大臣が告示することで決定されます。
中医協の薬価専門部会・薬価算定組織が実務を担い、個別品目の薬価算定→薬価専門部会の審議→中医協総会の答申→厚労大臣告示、という流れで決定されます。
2021年度から毎年薬価改定が実施されています。ただし偶数年の「本改定」と奇数年の「中間年改定」では対象範囲が異なります。
| 種類 | 対象 | 適用月 | 規模 |
|---|---|---|---|
| 本改定(偶数年) | 全収載品目 | 4月 | 大きい(数千品目が対象) |
| 中間年改定(奇数年) | 乖離率が大きい品目 | 4月 | 絞り込み(乖離率5〜8%超の品目) |
| 随時収載(毎年) | 後発品・新規収載品 | 6月・10月(目安) | 個別品目の追加収載 |
近年の改定では、後発品の普及拡大・不採算品対策・イノベーション評価という3つの方向性が同時に議論されています。
| 改定年 | 種別 | 主なトピック |
|---|---|---|
| 2016年(H28) | 本改定 | 後発品使用促進、長期収載品の段階的引き下げ開始 |
| 2018年(H30) | 本改定 | 費用対効果評価の本格導入、新薬創出加算の見直し |
| 2019年(R元) | 消費税改定 | 消費税率8→10%に伴う薬価引き上げ(10月) |
| 2020年(R2) | 中間年(試行) | 毎年改定の試行実施。対象は乖離率が大きい品目 |
| 2021年(R3) | 中間年 | 毎年薬価改定が制度化。コロナ禍での特例的対応も議論 |
| 2022年(R4) | 本改定 | 不採算品再算定の拡充、後発品の不採算解消 |
| 2023年(R5) | 中間年 | 後発品の安定供給問題が顕在化。業界再編の議論 |
| 2024年(R6) | 本改定 | 後発品安定供給対策・診療報酬改定との一体改革 |
| 2025年(R7) | 中間年 | 不採算品再算定を拡大。対象品目数が過去最多 |
| 2026年(R8)🔴 最新 | 本改定 | イノベーション評価の強化、後発品収載ルールの見直し |
新薬の薬価は類似薬効比較方式または原価計算方式のいずれかで算定されます。
後発品(ジェネリック)の薬価は、先発品の50〜60%を基準に設定されます。後発品が多く収載されるほど、段階的に価格が引き下げられる仕組みがあります。
公開:2026年5月 | データソース:中医協議事録(薬価ラボ独自データベース)・厚生労働省公開資料
2026年5月20日、iPS細胞由来心筋細胞シート「アムシェプリ(ラグネプロセル)」が薬価収載された。収載価格は1枚あたり55,312,131円(約5,531万円)。国内最高水準の薬価は「革新的な再生医療だから」という説明だけでは十分でない。価格の論理は2019年の中医協議事録に書かれていた。
アムシェプリは、他家iPS細胞から作製した心筋細胞シートを用いる再生医療等製品(生物由来製品)。適応は虚血性心疾患による重症心不全で、大阪大学発のスタートアップ「クオリプス株式会社」が製造・販売する。
薬事承認は2024年9月、条件・期限付き承認(有効期間7年・2033年まで)。有効性が「確認」ではなく「推定」の段階での承認であり、この法的位置づけが薬価算定に直接影響した。
アムシェプリのように比較対照となる既存薬がない新規作用機序の薬剤には、原価計算方式が適用される。製品総原価(原材料費・労務費・製造経費・一般管理販売費)に、以下を積み上げて薬価を算出する。
| 項目 | 適用・率 | 備考 |
|---|---|---|
| 製品総原価 | 非公開 | 企業秘密として原価の内訳は公表されない |
| 営業利益 | 業界平均率 × 0.5 | 条件付き承認のため半減(2019年ルール) |
| 流通経費 | 6.9% | 薬価算定上の標準的な流通費率 |
| 消費税 | 10% | |
| 先駆加算 | +10% | 先駆的医薬品指定(世界初・国内最初) |
| 市場性加算Ⅰ | +10% | 対象患者数が極めて少ない希少疾患 |
※ 製品総原価の内訳は中医協の審議でも非公開扱い。加算率は中医協 総-11-4(2026年4月8日)より。
アムシェプリに適用された「営業利益率×0.5」ルールは、2026年に突然決まったものではない。薬価ラボが収録する中医協議事録全文データベースを検索すると、このルールの起源が2019年の議論にあることが確認できる。
条件付き承認の品目については、承認審査における有効性・安全性の不確実性を踏まえ、原価計算方式を適用する場合の営業利益率を通常の50%とする方向で議論が進められた。
条件付き承認制度の対象品目に対し、有効性が推定段階にあることを考慮した薬価算定の在り方として、再生医療等製品を含む先駆的製品への算定ルールの整合性が確認された。
条件付き承認品目について、営業利益率を通常の50%に設定する算定ルールを2020年度薬価算定基準に正式に盛り込む方針が確認された。これにより、条件付き承認を受けた再生医療等製品の薬価算定における取り扱いが明確化された。
この2019年の議論が、2024年に承認されたアムシェプリの2026年薬価収載に直接適用された。価格の「設計図」は7年前に書かれていたのである。
2026年4月8日の中医協総会(第598回)では、アムシェプリの薬価算定が審議された。公開資料(中医協 総-11-4、総-11-2)から確認できる算定の骨格は以下の通りだ。
算定方式:原価計算方式。補正加算:先駆加算(加算率10%)、市場性加算Ⅰ(加算率10%)を適用。条件付き承認品目のため、営業利益率は業界平均の0.5倍。
希少疾病用医薬品等に係る加算(市場性加算Ⅰ)を適用し、対象患者数が極めて少ないことが確認された。先駆的医薬品指定により先駆加算が適用され、合計加算率は20%となった。
データ出典:厚生労働省 薬価基準収載医薬品コード(2026年4月改定)
| 製品名 | 規格 | メーカー | 区分 | 薬価(円) | 旧薬価 | 改定率 | 添付文書 |
|---|
「薬価は毎年下がる」と聞いてはいるけれど、なぜ下がるのか・誰がどこで値引きしているのか、説明できますか? MRや薬事担当でも意外と知らない「流通と価格の仕組み」を、お金の流れとともに整理します。
最終更新:2026年5月 | 対象読者:MR・薬事・品質管理など、薬価交渉に直接関わっていない製薬業界の方
日本の医療用医薬品は、製造から患者の手に渡るまでに必ず「メーカー → 卸 → 病院・薬局 → 患者」という流通経路をたどります。スーパーで野菜を買うように、病院がメーカーから直接買うことはほとんどありません。
この流通構造の中で、各プレイヤーが異なる価格で薬をやり取りしていることが、薬価の複雑さの根源です。
薬価(やっか)とは、厚生労働大臣が告示する健康保険適用薬の公定価格です。病院・薬局はこの価格を上限として保険に請求します。
薬価基準に載っている価格は税込み(消費税10%を含む)で設定されています。病院が保険に請求するときも薬価がそのまま適用されます(消費税は薬価に内包されているため、別途 × 1.10 の加算は不要)。一方、卸から仕入れる際は「仕入価格(税抜き)+ 消費税10%」を支払います。
メーカーは卸に薬を販売するとき、薬価より低い「建値(仕切価格)」を設定します。建値は多くの場合、薬価の90〜95%前後です。しかしこれで終わりではありません。後からさらに「リベート」や「アローアンス」が加わります。
メーカーが卸に提示する販売価格の出発点。税込み薬価の90〜95%程度(=本体薬価〈税抜き〉の90〜95%と同額)に設定される。卸はいったんこの価格で仕入れる。建値は公開されず、メーカーと卸の間で個別に設定される。なお2014年の消費税増税対応以降、業界では「税抜仕切価(本体薬価ベース)」として税抜き表示が推奨されている。
一定期間の取引終了後に、販売量などの実績に応じてメーカーが卸へ後払いで戻すお金。「売れれば売れるほど多く返ってくる」仕組みで、卸がメーカー品を積極的に販売する動機になっている。
特定の取引条件(在庫管理・期限管理・物流協力・情報提供など)を達成した場合にメーカーが卸に支払う業務協力費。リベートと合わせて「リベート・アローアンス」とまとめて呼ばれることが多い。
「卸はどこで儲けているのか?」これは業界内でも意外と知られていません。卸のマージンは建値とリベート・アローアンスの合計から、病院への値引き分を引いた残りで成り立っています。
実際の数字で確認してみましょう。薬価1,000円の薬を例にします。
病院・薬局は卸から薬価より安く仕入れ、保険には薬価で請求します。この差額が「薬価差益」です。上の例では80円が薬価差益になります。
薬価差益は病院の収益の一部となっており、診療報酬だけでは賄えない運営費の補填として機能してきた歴史があります。一方で「保険財政から過剰に支払われている」という批判もあり、薬価改定による引き下げの理由のひとつでもあります。
乖離率とは、薬価と実際の取引価格(市場実勢価格)の差を薬価で割った割合です。薬価改定の幅を決める最も重要な指標です。
その薬1品目の薬価と市場取引価格の差。品目によって大きく異なり、後発品は20〜40%を超えることもある。先発品は数%〜十数%程度が多い。
毎年10月の薬価調査で全取引を集計し、全収載品目の加重平均として厚生労働省が算出・公表する。薬価改定の基準となる最重要指標。
平均乖離率が縮小傾向にある背景には、複数の要因が絡み合っています。主なものとして、①2021年度から毎年改定が実施され1年以上乖離が蓄積されにくくなったこと、②後発品メーカーの供給不安が相次ぎ卸・病院が強い値引き要求を控える場面が増えたこと、③単品単価取引の普及により品目ごとの価格が可視化されやすくなったこと、が挙げられます。ただし要因の寄与度については専門家の間でも議論があり、一概に断言できない部分もあります。中間年改定(奇数年)では「平均乖離率の一定倍(直近は0.625〜0.75倍)」を超える品目のみが対象となります。
毎年の薬価改定は、次のサイクルで動いています。
卸が全取引について「いくらで売ったか」を国に報告。全品目の実際の取引価格が集計される。
品目ごとの乖離率が算出され、中医協 薬価専門部会で改定幅を議論。不採算品の扱い・イノベーション評価なども同時に審議される。
厚生労働大臣が新しい薬価を官報に告示。製薬企業・卸・病院はこの時点で翌年4月の価格を把握する。
新しい薬価で保険請求・取引が始まる。乖離率が高かった品目ほど大きく引き下げられ、翌年の乖離が小さくなる——これを毎年繰り返すことで、薬価は構造的に下がり続ける。
薬価改定は基本的に「乖離の縮小」を目的としているため、実際の取引価格が薬価を下回っている限り、改定のたびに薬価は下がります。薬価が下がれば卸・病院は再び安く仕入れようとするため、翌年また乖離が生じ、また改定で引き下げられる——というサイクルが続きます。
| プレイヤー | 買う価格 | 売る価格 | 利益の原資 |
|---|---|---|---|
| 製薬メーカー | 製造原価 | 建値(薬価の90〜95%) | 薬価と製造原価の差 |
| 医薬品卸 | 建値(950円) | 納入価(920円) | リベート・アローアンス(50円)が主な原資 |
| 病院・薬局 | 納入価(920円) | 薬価(1,000円)で保険請求 | 薬価差益(80円) |
この差が乖離率(8%)として毎年測定され、薬価改定で縮小されます。改定後は薬価が920円に近づき、また翌年に新たな乖離が生まれる——これが「薬価が下がり続ける」仕組みの正体です。
最終更新:2026年4月
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2027年度は予定。出典:厚生労働省 中医協資料。
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最終データ更新:2026年4月15日
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